頭塔
東大寺南大門を1キロほど南に行くと、ピラミッド状の遺跡があります。頭塔(ずとう)という奈良時代に作られた土の塔です。当時は7段の石積みをして偶数段には瓦屋根を、奇数段には石仏をはめ込んで、五重の塔になっていたようです。多数の石仏からは奈良時代の仏教説話美術としても注目されているとのことですが、こういったピラミッド状の遺跡は国内では少ししかありません。
頭塔は、四条大路の延長線と南大門のほぼ真南で交差するところにあります。また元興寺の東の築地塀の外からは高台に望むことが出来たはずです。現在は住宅が密集しているため近くに行かないと見えませんが、当時の景観を想像しながら眺めるのも面白いと思います。
この地域には、東大寺や元興寺、興福寺などの大寺院や春日大社がある中で、この一見目立たない頭塔について想像をめぐらせるのは楽しいことです。
現在は遺跡の半分が復元されていますが、鍵が掛かっていて、すぐ近くの管理者の家に行って開けてもらわなければ入れません。
写真は、昨年の日食の写真を映し出したパソコンのディスプレーの前に、切り抜いた頭塔の再現画を置いて撮影しました。また、幻想的にするために頭塔の前に綿を置きました。尚、相輪は省きました。
by kpps
| 2010-08-23 22:13
| 針穴写真